マーケット情報で「投機筋」とか「実需の買い」とかって聞くけど、誰のこと?市場参加者って?
こんな疑問にお答えします。
この記事の内容
- 為替取引は両外目的の実需と利益目的の投機の2つあります
- 為替取引をおこなっているのは『市場参加者』たちです
- 市場参加者たちが生み出す値動きに合わせてトレードしよう!
この記事を書いているのは、FX歴10年超、未だに為替取引の奥深さに思い知らされ打ちのめされ続けてる、Mっ気トレーダーです。
「各通貨を売ったり買ったりしているのは誰?」という疑問を度々耳にします。
彼れを知りて己を知れば、百戦して殆うからず。
相手のことも自分のことも知っていれば、何回戦っても負ける心配はない。
とかくFXトレードは、やれトレード手法だ、やれいくら勝った、だの自分のことばかり考えてしまいがちです。
でも、通貨の値動きを生み出している人たちのことをどれだけ知っているでしょうか?
この記事では『市場参加者のことをよく知りトレードを有利に進めよう!』について解説します。
為替取引は両替目的の実需と利益目的の投機の2つあります
実需と投機
為替取引をおこなう目的は、両替目的の『実需』と利益目的の『投機』の2つがあります。
実需と投機の取引量は1:9と言われていて、投機による為替取引の方が圧倒的に取引量が大きくなっています。
利益目的でトレードしている我々個人も、投機による為替取引と言えますね。
両替目的の実需
両替目的の『実需』とは、海外の通貨で得た利益を自国の通貨に文字通り『両替』することです。
例えば、アメリカでクルマを売りまくって米ドルで利益を得た日本の自動車会社が、日本円に両替する動きを「実需の売り・買い」なんて言い方をします。
頻繁に両替することはなく日々必要に応じて各通貨を売買しているだけで、為替相場に大きな影響を及ぼしているわけではありません。
『五十日(ごとうび)』と言われる、5日・10日・15日・20日・25日・月末の日本時間午前10時の仲値に両替が集中することで各通貨の需要が高まることがありますが、これも実需の値動きと言えます。
利益目的の投機
実需と違って『投機』は為替取引で利益を上げるための為替取引です。
主に投機をおこなう市場参加者を『投機筋』あるいは『短期筋』と呼びますが、投機筋は各市場において短期的な売買を頻繁におこなうことによって利益を得ています。
投機筋は時に売買が薄い時間帯を狙い撃ちして、ここぞとばかりに値動きを動かそうとして膨大な資金を背景に積極的に売買を仕掛けてくることもあります。
為替取引を行っているのは『市場参加者』たちです
『市場参加者』って?
『市場参加者』とは、株式市場・外国為替市場・短期金融市場・商品先物市場・債券市場といった各市場で実際に株や為替、債券、石油に鉱物などを売買する人たちのことです。
一方で市場参加者たちとは違って直接取引はしないものの、各市場に関わりがある人たちを『市場関係者』と呼び分けます。
市場参加者たちには、主に次の人たちがいます。
- ディーラー
- トレーダー
- ヘッジファンド
- 機関投資家
- 個人投資家
その他に、CTA、投信会社、信託銀行などが市場参加者として挙げられますが、まずはなんとなく聞いたことのありそうな上のリストの人たちを説明しますね。
ディーラー
ディーラーとは、所属する金融機関から与えられた資金を使って、個々のディーラーの取引経験と責任において利益を上げるために売買をおこなう人たちです。
誰でも簡単になれるわけではなく、所属する金融機関でその適性を認められた人だけが、自分の経験と判断で売買を行なう権限を与えられます。
少ししか収益を上げられないか、収益を上げることができない場合は相場から去っていくこともある、実力最優先の厳しいトレードの世界に生きるプロ、それがディーラーです。
トレーダー
金融機関、とりわけ銀行や証券会社、資産運用会社に保険会社によってトレーダーの業務は異なりますが、顧客からの売買注文をディーラーに伝える担当者がトレーダーです。
ディーラーと顧客の間を取り持つ役目なので、情報収集・判断に長けていてコミュニケーション能力も必要になる人、それがトレーダーです。
ちなみにこのブログに頻繁に登場するトレーダーとは、一般的には『デイトレーダー』という個人で短期的な売買によって利益を得る人たちのことなので、金融機関のトレーダーとはちょっと意味が違いますね。
ヘッジファンド
日本では『ハゲタカ・ファンド』などとちょっとダーティなイメージで描かれることが多いヘッジファンドは、圧倒的な利益を追求してハイリスク・ハイリターンな売買を繰り返す集団です。
有名な逸話として今も語り草なのが、ジョージ・ソロス氏が率いるヘッジファンドが英イングランド銀行とポンド売買を巡るガチンコ勝負で勝利した話です。
この一件は、ヘッジファンドの存在の大きさを世界中の各市場に知らしめた大きな出来事となりました。
機関投資家
機関投資家とは、投資信託会社や投資顧問会社、損害保険会社や生命保険会社、信託銀行や政府系金融機関や年金基金などの会社や組織のことです。
こうした会社や組織単位で大量の資金を使ってまとめて売買するため、各市場に与えるインパクトはとてつもなく、値動きに与える影響力は計り知れません。
ただ、投資計画に沿った売買を行なうなど会社や組織ゆえの制約も多く、売買タイミングの機敏さに欠けるところがあります。
個人投資家
はい、我々ですw
個人投資家とは、自己資金を失うリスクのある取引をする個人のことです。
会社員、公務員、自営業者、経営者、主婦、退職者、ニート、フリーター、フリーランス、専業デイトレーダーなど、個人の資金で売買を行なう人はみんな個人投資家です。
自分の資金なので取引ルールやリスク管理・資金管理がいい加減なこともあって、致命的な失敗で退場する人が個人投資家全体の90%以上もいる、という統計もあるぐらい厳しい立場にある、けれども愛しい仲間たちですw
市場参加者たちが生み出す値動きに合わせてトレードしよう!
値動きを創り出す市場参加者に、のるかそるか?
ディーラーやヘッジアンド、機関投資家がどんな人たちかがわかると、凄すぎてトレードに向き合うモチベーションが一気に下がる思いじゃないでしょうか?
見出しで「のるかそるか?」と書きましたが、まぁ基本、のるしかありませんよね?値動きを創り出してる人たちなんだから…
じゃのるとして、彼らの創り出す値動きの何に注目すればいいでしょうか?
市場参加者の意識している価格に注目する!
シンプルなんですが、市場参加者のマネしましょう。
彼ら目線で、市場参加者が意識している価格、注目している価格帯を、彼らと同じように意識して、注目しましょう。
そうすれば「ここで動き出す理由」や「ここで止まる理由」、また「方向感のない値動き」や「上昇・下落の傾向」などが見えてくることが確実に増えてきます。
まとめ:市場参加者たちを知ってチャートをより深く読もう
チャートを毎日繰り返し読むことはもちろん大切です。
でも、値動きを創り出している市場参加者のことを知っていればこそ、チャートを読む深度もさらに増すというものです。
彼れを知りて己を知れば、百戦して殆うからず。
相手のことも自分のことも知っていれば、何回戦っても負ける心配はない。
相手(市場参加者)のことも自分のトレードのことも知っていれば、何回トレードしても負ける心配はありません。勝ちにくいかもしれないけど…
明日から早速、チャートのその奥にいる市場参加者の思いや考えを、チャートを通して読んでみてはいかがでしょうか?