G20サミットが終わり米中問題の決裂回避・協議再開となったが、制裁関税自体は残っておりドル円への影響を注視する必要がある。
また次週(7/1週)は米雇用統計週となっており、レンジ相場となり易そうだが地政学的サプライズによる瞬間的な値動きの大振れに注意したい。
引き続き予断を許さない7/1週のドル円の注目ポイントをまとめました。
2019年も半分が終わり、7/1週から下半期がスタートします。
米中・米イラン・米北朝鮮とドル円への影響が大きい諸問題が山積ですが、市場参加者が意識する抵抗線・支持線が示す価格帯を見極めていきたいですね!
2019/6/24(月)~6/28(金)のドル円チャートのおさらい
先々週(6/10週)と先週(6/17週)のドル円チャートのおさらい
値 | 先々週(6/10週) | 先週(6/17週) |
始値 | 108.482 | 108.497 |
高値 | 108.799 | 108.725 |
安値 | 108.158 | 107.048 |
終値 | 108.538 | 107.325 |
ボラ | 64.1pips | 167.7pips |
方向 | 横ばい | 下方向 |
先々週(6/10週)は前週(6/3週)よりは幾分ジリ高となったものの、108.150~108.800と狭い範囲での値動きに終始した。
先週(6/17週)は2週連続で横ばいだった値動きから一変、FOMCの金融緩和表明によるドル売りも追随して、一時107.000手前でサポートされるまで値を下げて終わった。
今年4/24(水)より続くドル円の値下がり傾向を維持したまま、今週(6/24週)に引き継いだ。
2019/6/24(月)~6/28(金)のドル円チャートのおさらい
値 | 先週(6/17週) | 今週(6/24週) |
始値 | 108.497 | 107.297 |
高値 | 108.725 | 108.161 |
安値 | 107.048 | 106.778 |
終値 | 107.325 | 107.926 |
ボラ | 167.7pips | 138.3pips |
方向 | 下方向 | 上方向 |
月日 | ボラ | 説明 |
6/24(月) | 28.9pips | 様子見 |
6/25(火) | 63.1pips | ジリ安 |
6/26(水) | 75.1pips | 107.880手前で 上昇阻まれる |
6/27(木) | 51.4pips | 107.650付近が 下支えに |
6/28(金) | 36.9pips | G20絡みで 様子見に |
2019/6/24(月)~6/28(金)のドル円チャートはどう動いた?
今週(6/24週)は107.000を割り込んで106.800付近にサポートされるまで値を下げる場面があった。
その後すぐ反発、108.150付近に上値を押さえ込まれるまで上昇してG20サミットを向かえた。
そのG20サミットだが、米中の貿易摩擦問題に先立ち今回は米中の決裂を回避したものの、さすがに問題そのもの解消まではたどり着けなかった。
次週(7/1週)は7/5(金)に米雇用統計発表があり値動きに乏しい週だが、G20サミットの結果と6/30(日)の米北朝鮮対話の結果などの不確定要素の結果に影響された値動きに注視したい。
次週(7/1週)のドル円の注目ポイントは?
線種 | 価格帯 | 説明 |
抵抗 | 112.150 | 昨年10~12月の強力な支持線 4月は強力な抵抗線になる |
抵抗 | 111.000 | 昨年5・6月は抵抗線 4月は支持線となる |
抵抗 | 110.000 | 1月は強力な抵抗線 3月後半は底堅い支持線となる |
抵抗 | 109.250 | 5月中旬・下旬の強い支持線 |
抵抗 | 108.800 | 上のオレンジ線 1月末の強力な支持線 下抜けると今年の上昇傾向は リセット |
抵抗 | 108.450 | 1月初のやや弱い抵抗線 |
抵抗 | 108.150 | 下のオレンジ線 1月前半の強力な支持線 今年の値動きの出発点 下抜けるのは容易ではない |
抵抗 支持 | 107.880 | 今年1月前半を支えた支持線 6/3週から108円死守の 限界下値で再登場 非常に強力 |
支持 | 107.600 | 年始オーバーシュート後の 戻り値を支えた強力な支持線 下抜けると2018年2~4月に戻る |
支持 | 107.000 | 強力な支持線。 6/17週時点で2019年の奈落。 |
支持 | 106.670 | 2018年2・3・4月の 抵抗・支持線 |
支持 | 106.420 | 2018年2・3・4月の 抵抗・支持線 |
支持 | 106.170 | 2018年2・3・4月の 抵抗・支持線 |
支持 | 105.800 | 2018年2・3・4月の 抵抗・支持線 |
G20サミット閉幕後&米雇用統計週
6/29(土)に閉幕したG20サミットでは、米中首脳会談も決裂せずに貿易協議も再開されることになった。
ただ為替への影響を考えると、制裁関税は残っているのでG20サミット開催前と同様に週明け7/1週の値動きについてまだまだ予断は許さない状況だ。
また次週(7/1週)は米雇用統計週となっているので、低いボラティリティの中での地政学的サプライズによる値動きの瞬間的な大振れに警戒したい。
108.000を中心に上は108.800付近、下は107.000付近
今週(6/24週)の終値が107.925となっており、次週(7/1週)は108.000付近を中心とした値動きからスタートしそうだ。
ドル円は未だ下落傾向が続いているが、雇用統計週特有の値動きとなると107.600付近~108.150付近でレンジを形成しそうだ。
一方で米中貿易問題や朝鮮半島絡みなど、地政学的サプライズの影響やトランプ砲の直撃も考慮に入れておく必要がある。
その場合、上目線で108.800付近まで、下目線では107.00付近が瞬間的な大振れの目安になりそうだ。
まとめ:次週(7/1週)のドル円の注目ポイントは?
これまでの内容をまとめると、次週7/1週のドル円の注目ポイントは次の通り。
- G20サミット後も米中問題に進展なし
- 次週(7/1週)は雇用統計週
- ドル円は下落傾向継続
- 108.000付近を中心とした値動きになりそう
- レンジ形成なら107.600~1808.150の狭い範囲になりそう
- サプライズやトランプ砲直撃時、上は108.800付近、下は107.000付近
トランプ大統領は「キープ・アメリカ・グレート(アメリカを偉大なままに)」を合言葉に、2020年の大統領選で再選を目指す考えを正式に表明した。
この大統領選を睨んで地政学的問題についてトランプ砲が放たれる可能性も高く、今後のドル円への影響も懸念される。
2019年下半期がスタートする7/1週のドル円の値動きには、より一層の注意が必要だ。