この『FXのコラム』では、FXトレーダーの支えになってくれることやトレードの心得をご紹介します。
当ブログとして真っ先にご紹介したいのは『こども孫子の兵法』という本です。
経験を多く積むほどにトレーダーは自分に向き合い続けて、ともすれば孤独感を感じることが多くなっていきます。
負けトレードや孤独感から心が折れそうになって心に迷いが生まれるのは日常茶飯事、そんな時にトレーダーとして進むべき心の進路を指し示してくれるのがこの本『こども孫子の兵法』です。
「こども用でしょ?」とお思いのあなた、難しいことを難しく解説することよりも、難しいことを誰にでも分かりやすく解説することの方が、はるかに難易度が高いんですよ?
トレーダーにとって一番大切なことは『自分の心とどう向き合うか?その心の指針を得ること』です!
『孫子の兵法』とは?
聞いたことがあってもよく知らない『孫子の兵法』
孫子の兵法…
一度は耳にしたことがあっても、なんだか難しそうで中身はよく知らないという方も多いと思います。正直、私も今回ご紹介する本を読むまでは詳しく知りませんでした。
この『孫子の兵法』、歴史的な偉人たちや現代のトップ・リーダーたちがこぞって愛読して活用するほど、古今東西に問わず親しまれている書物なんです。
例えば、こんな人たちが愛読しています。
- 曹操(好きすぎて「魏武注孫子」という別バージョンを作った)
- 諸葛亮(公平適正な法令の遵守に活用した)
- 呂蒙(武勇だけだったが孫子の兵法を勉強して知略も習得した)
- 武田信玄(孫子の兵法の一節から「風林火山」を思いついた)
- ナポレオン(仏語訳を読んで軍略に活かした)
- 東郷平八郎(日露戦争に持っていって艦隊戦に活かした)
- アメリカ軍(軍事学校で必読書・必修科目にした)
- ビル・ゲイツ(事業の基本戦略にした)
なぜ『こども孫子の兵法』なのか?
この『孫子の兵法』はその内容もさることながら、今から2,000年以上前の中国で書かれた書物のためにそう易々と読むことができません。
特に専業・兼業のトレーダーの皆さんはチャートを読み解くのに時間が惜しいくらいなので、難しそうな『孫子の兵法』をジックリと読むことは難しいと思います。
そこで子供にも分かりやすく解説しているこの本だったら、読めばその内容がスッと頭に入ってくるので特におすすめなんです。
トレーダーは孤独です
なぜ孤独になるのか?
FXのトレードに限らずシビアな勝ち負けの世界は、どうしても孤独になりがちです。
というのも、勝つために下した選択が誤っていないかを常に自問自答し続けるために、自分の心の内側のその奥に意識が集中することでどんどん孤独になっていくんです。
エントリーの根拠は間違ってないか?値動きの理由を見誤っていないか?勝ちに慢心してトレード・ルールを逸脱してたんじゃないか?そもそもエントリーすべきじゃなかったんじゃないか? などなど、常に自分の選択を疑い続けることでしか、トレードの確信が得られないからです。
自分を疑い続けることはできない
でも、自分の選択を疑い続ける作業は、言い換えれば自分自身をひたすら疑い続ける作業なので、そう長くは続きません、っていうか気がおかしくなりますよ普通。
勝っても負けてもエントリー前に自問自答するので心の余裕は少なからず痛みを生みながら削り取られていきますが、そんな時に心の余裕を取り戻す術を持っているトレーダーはごく少数です。
そんなトレーダーの心の痛みを和らげてくれて、強くしなやかな心の有り様と心が向き合うべき方向を教えてくれるのが、この『こども孫子の兵法』なんです。
トレーダーとして値動きに向き合うときの心の指針
エントリーする前にできることはたくさんある
では『こども孫子の兵法』からトレーダーの心を支える一節を引用してみますね。
昔の善く戦う者は、先ず勝つべからざるを為して、以って敵の勝つべきを待つ。
勝つべからざるは己に在るも、勝つべきは敵に在り。
むかしのよくたたかうものは、まずかつべかららざるをなして、もっててきのかつべきをまつ。
かつべからざるはおのれにあるも、かつべきはてきにあり。
(まずは相手のことよりも自分のこと。負けないための準備をしっかりしよう。)
『こども孫子の兵法』12ページ
「まずなにをするべき?」より
これ、トレーダーとして身に覚えありませんか?
相手(=値動き)のことばかり気になって自分(=値動きを読む力や経験、トレードする環境、自分のトレードルール)のことが疎かになっているってこと、ありませんか?
もう一節引用しますね。
上兵は謀を伐つ。
じょうへいはぼうをうつ。
(相手を戦いたくない気もちにさせたら勝ち!)
『こども孫子の兵法』18ページ
「戦わないで勝ちたい!」より
この一節では「相手がしようとしていることを先に見抜いて、それをできないようにしてしまうこと。そうすることで自分に有利な状況をつくって、相手を戦いたくない気持ちにさせてしまうことが大切だよ」と説いています。
トレードに置き換えると、値動きが上昇したとき・下落したとき・レンジのときに備えてそれぞれの対応策を予め準備しておく(=謀を伐つ)ことでトレードを自分に有利に進めるのが、良いトレーダー(=上兵)の選択だ、と解釈できます。
値動きに条件反射した勢いで、根拠なく成行エントリーしてませんよね?
まとめ:トレードだけでなく生き方のヒントとして
勝ち負けの世界で戦っているトレーダーの心の指針になるこの本には、タイトルに偽りなく子供でもわかるやさしい解説文を添えた至玉の24節が掲載されています。
トレーダーは為替相場に関わることで、これまで関心のなかった世界経済や地政学的関連性を学ぶ大切さを知るといいます。
この『こども孫子の兵法』から強くしなやかな心の有り様を学ぶことができれば、トレーダーとしてだけでなく、あなたの、そして周りの人たちの生き方もより良く変わっていくきっかけになることでしょう!