対メキシコ関税表明というトランプ砲がドル円に被弾し、5/31(金)は一日で134.4pips分も値を下げる結果となった。
この被弾により下落傾向が強まったことで、ついに109円を下抜ける結果となった。
次週6/3週はこの下落傾向に加えて米雇用統計に対する値動きが加わり、いつも以上に神経質な値動きとなる可能性がある。
次週6/3週のドル円の注目ポイントは次の通り。
- ドル円下落の勢いはまったく衰えていない
- 米雇用統計までは108.150~108.800付近の狭い範囲でレンジを形成する可能性がある
- 米雇用統計の結果を好感した場合、110.600付近までは上昇しそうだが限定的
- 米雇用統計の結果を嫌気した場合、107円ちょうどまで一気に到達する可能性がある
ドル円、下げましたね。
108.150付近に支えられつつ、6/7(金)の米雇用統計の発表までは神経質な値動きが続くと思います。
無理にトレードをせず、今週はお休みするのも一手かと思います。
2019/5/27(月)~5/31(金)のドル円チャートのおさらい
2019/5/20(月)~5/24(金)のドル円チャートのおさらい
値 | 先々週(5/13週) | 先週(5/20週) |
始値 | 109.752 | 110.103 |
高値 | 110.192 | 110.673 |
安値 | 109.020 | 109.273 |
終値 | 110.037 | 109.291 |
ボラ | 117.2pips | 140.0pips |
方向 | 横ばい | 横ばい |
先々週(5/13週)の前半は一時109円に迫る下げ幅で推移、後半の5/16(木)・5/17(金)にかけてジリジリと値上がりしたものの、ほぼ横ばいの値動きとなった。
先週(5/20週)の前半は先々週(5/13週)後半の流れを受けて、110円ちょうどの支持線も支えとなり高値110.673まで上昇したが勢いもそこまで。
先週(5/20週)後半は米指標の結果を嫌気したドル売り円買いの動きが加速、始値を割り込んだ109.291で1週間を終えた。
2019/5/27(月)~5/31(金)のドル円チャートのおさらい
値 | 先週(5/20週) | 今週(5/27週) | 説明 |
始値 | 110.103 | 109.265 | 落ち着いた スタート |
高値 | 110.673 | 109.926 | 110円の抵抗に 抑えられる |
安値 | 109.273 | 108.277 | 109円を下抜け |
終値 | 109.291 | 108.313 | 108.150付近の 強力な支持線の 手前でブレーキ |
ボラ | 140.0pips | 164.9pips | 大きく動く |
方向 | 横ばい | 下向き | トランプ砲炸裂 |
月日 | ボラ | 説明 |
5/27(月) | 31.9pips | 方向感なし |
5/28(火) | 41.9pips | 方向感なし |
5/29(水) | 55.0pips | 方向感なし |
5/30(木) | 45.3pips | 110円を試すが 押し返される |
5/31(金) | 134.4pips | 対メキシコ関税の トランプ砲被弾 |
平均 | 61.7pips | 5/31(金)以外は 低調 |
2019/5/27(月)~5/31(金)のドル円はどう動いた?
トランプ大統領の対メキシコ関税表明がトランプ砲となってドル円に被弾した。
その結果、ついに109円を下抜けた。
それどころか108.800付近をあっさりと下抜けて、今年初めのオーバーシュート後の戻り値を支えた108.150付近の強力なサポートラインに迫る勢いで一気に下落した。
30分足で値動きを細かく観察するとロンドン時間中の約6時間半ほど、108.800付近のサポートランが強力に作用して売り買いが拮抗している。
その後の売り圧力に屈してさらに値を下げたものの108.800付近で買いオーダーが入ったことから、市場参加者にとって108.800付近は今後も注目する価格帯と考えられる。
来週6/3週は6/7(金)に米雇用統計が予定されており、引き続き予断を許さない状況が続くことになる。
6月の指標スケジュールをまとめているので、合わせてご覧いただきたい。
来週(6/3週)のドル円の注目ポイントは?
線種 | 価格帯 | 説明 |
抵抗 | 112.150 | 昨年10~12月の強力な支持線 4月は強力な抵抗線になる |
抵抗 | 111.000 | 昨年5・6月は抵抗線 4月は支持線となる |
抵抗 | 110.000 | 1月は強力な抵抗線 3月後半は底堅い支持線となる |
抵抗 支持 | 108.800 | 上のオレンジ線 1月末の強力な支持線 下抜けると今年の上昇傾向はリセット |
支持 | 108.150 | 下のオレンジ線 1月前半の強力な支持線 今年の値動きの出発点 下抜けるのは容易ではない |
支持 | 107.600 | 年始オーダーシュート後の 戻り値を支えた強力な支持線 下抜けると2018年2~4月に戻る |
2019年の値動きの起点となった108.150付近に注目
5/27週の109円をあっさり下抜けた勢いはトランプ砲が後押ししたこともあるが、そもそも4/24(水)から始まった下落の流れがその源。
この下落の流れはまったく変わっていないため、売り圧力は4週間にも渡って徐々に切り下げてきている。
一方、108.150付近と107.600付近には2019年初頭の値動きを支えた強力なサポートラインが控えているため、切り下げてきている抵抗層との間に今後ますます圧力が増すだろう。
6/7(金)の米雇用統計までの値動きを注視
米雇用統計発表週のドル円は、週初めの月曜日からレンジ相場となりやすい傾向がある。
また4週間連続で切り下げた値動きと108.150付近や107.600付近の強力なサポートラインの作用によって、さらに方向感のないレンジ相場となる可能性が高まった。
トランプ砲級のサプライズがなければ、週明けから108.150付近~108.800付近の両オレンジ線の間でレンジを形成しつつ6/7(金)の米雇用統計の発表を待つ、といった値動きが考えられる。
米雇用統計の結果を好感すれば110.650付近までは上昇すると思われるが、勢いが緩まない下落傾向の前では値上げ効果も限定的と思われる。
米雇用統計の結果を嫌気すると下落傾向は加速の一途をたどり、107.600付近のさらに下にある107円ちょうど付近のサポートラインまであっという間に下落しそうだ。
まとめ:来週(6/3週)のドル円のポイントは?
これまでの内容をまとめると、6/3週のドル円の注目ポイントは次の通り。
- ドル円下落の勢いはまったく衰えていない
- 米雇用統計までは108.150~108.800付近の狭い範囲でレンジを形成する可能性がある
- 米雇用統計の結果を好感した場合、110.600付近までは上昇しそうだが限定的
- 米雇用統計の結果を嫌気した場合、107円ちょうどまで一気に到達する可能性がある
6/3週のドル円は米雇用統計への様子見と下落圧力への抵抗の2つの値動きが重なるため、いつも以上に値動きへの警戒を強めたい。