週末の中国の対米関税600億ドル発動のニュースに踊らされることなく、6/3週は米雇用統計週によくある様子見の値動きに終始した。
一方で、108円死守への市場の決意もハッキリと見えた週となった。
ドル円は変化のない下落傾向と108円死守との板ばさみになって、翌週6/17週に諸問題の結論も持ち越す可能性もある。
そんな6/7週のドル円の注目ポイントをまとめると次の通り。
- 現在ドル円の下落傾向に変化なし
- 値動きの中心は108.000~108.800となりそう
- 108.800付近の抵抗を上抜けるのは難しそう
- 6/3週に引き続き108.000付近は死守への決意が固そう
- 6/10週がレンジだと翌週に諸問題の結論を持ち越しそう
- 米中絡みのサプライズに注意
ドル円、重大局面が継続中といったところでしょうか?
目が離せないドル円6/10週の注目ポイントを詳しく解説します。
2019/6/3(月)~6/7(金)のドル円チャートのおさらい
先々週(5/20週)と先週(5/27週)のドル円チャートのおさらい
値 | 先々週(5/20週) | 先週(5/27週) |
始値 | 110.103 | 109.265 |
高値 | 110.673 | 109.926 |
安値 | 109.273 | 108.277 |
終値 | 109.291 | 108.313 |
ボラ | 140.0pips | 164.9pips |
方向 | 横ばい | 下向き |
先々週(5/20週)は前週(5/13週)の流れを受けて徐々に上値を切り上げたが、111円手前の110.673の高値後は失速。
米指標の結果を嫌気したドル売りも加速し、週を終えてみれば109円手前で踏み止まって109.291で週を終えた。
先週(5/27週)は様子見スタートしてやや上値が伸びる場面もあったものの、対メキシコ関税表明のトランプ砲に被弾しドル売り円買いが加速。
ついに終値で109円を割り込むどころか108円も見えてきた108.313で週を終えた。
2019/6/3(月)~6/7(金)のドル円チャートのおさらい
値 | 先週(5/27週) | 今週(6/3週) | 説明 |
始値 | 109.265 | 108.274 | 冷静なスタート |
高値 | 109.926 | 108.617 | 期待感から 徐々に切り上げる |
安値 | 108.277 | 107.617 | 一瞬割ったが 108円死守の 強い意志が見える |
終値 | 108.313 | 108.813 | 最後まで 108円死守の 強い意志にこだわる |
ボラ | 164.9pips | 80.4pips | 予想外の手堅さ |
方向 | 下向き | 横ばい | 次週(6/10週)に つなげた |
月日 | ボラ | 説明 |
6/3(月) | 56.3pips | 様子見 |
6/4(火) | 51.4pips | 様子見 |
6/5(水) | 67.3pips | 様子見 |
6/6(木) | 53.7pips | 様子見 |
6/7(金) | 73.6pips | 米雇用統計 嫌気するも戻す |
平均 | 60.5pips | 次週に委ねる |
2019/6/3(月)~6/7(金)のドル円チャートはどう動いた?
正直、108円台は保持できずに107円台で6/7(金)の米雇用統計を迎えると思っていた。
というのも、先週末に発表された中国の対米関税600億ドル発動が週明け6/3(月)のドル円を直撃すると思っていたからだ。
値動きから判断すると市場は折込済みだったか、すでに米中貿易摩擦問題関連ニュースに耐性を持ち始めたかのいずれかだろうか?
また瞬間的に割り込む場面はあったものの、108円死守の市場の決意の程が伺える値動きとなったことも特筆すべき点だ。
一方、今週(6/3週)がここまで動かなかったことは、処々の懸案への市場の結論を次週(6/10週)に先送りしたかのようにも思えてならない。
次週(6/10週)のドル円の注目ポイントは?
線種 | 価格帯 | 説明 |
抵抗 | 112.150 | 昨年10~12月の強力な支持線 4月は強力な抵抗線になる |
抵抗 | 111.000 | 昨年5・6月は抵抗線 4月は支持線となる |
抵抗 | 110.000 | 1月は強力な抵抗線 3月後半は底堅い支持線となる |
抵抗 支持 | 108.800 | 上のオレンジ線 1月末の強力な支持線 下抜けると今年の上昇傾向はリセット |
支持 | 108.150 | 下のオレンジ線 1月前半の強力な支持線 今年の値動きの出発点 下抜けるのは容易ではない |
支持 | 107.880 | 今年1月前半を支えた支持線 6/3週から108円死守の 限界下値で再登場 非常に強力 |
支持 | 107.600 | 年始オーダーシュート後の 戻り値を支えた強力な支持線 下抜けると2018年2~4月に戻る |
6/3週から持ち越されたものの…
いくら様子見相場となる米雇用統計週とはいえ、6/3週の値動きは108円死守が最前面に出た形となった。
6/3週中には米国が絡む地政学的問題に対する市場の判断が何も出ておらず、6/10週にすべて持ち越した印象が強い。
6/10週の指標発表スケジュールでは重要度の高い指標発表は多くないが、米中絡みのサプライズで一気に値が動く可能性もある。
6/10週の指標発表スケジュールをまとめているので、合わせてご覧いただきたい。
108.000~108.800間の値動きに終始するか?
まず前提として、今のところドル円の下落傾向に変化はない。
6/10週は終始下落傾向のプレッシャーを受けながらの値動きとなるため、108.800付近の抵抗線を終値で上抜けるには相当な材料がなければ難しい印象。
また6/3週に市場が示した通り108円死守が6/3週に続き6/10週も継続されるとすると、値を下げても107.880付近の超強力な支持線にサポートされると考えられる。
仮に108.000~108.800間で方向感のない値動きが形成されれば、6/10週に続き次週6/17週に結論を持ち越す可能性もある。
6/17週は6/19(水)にFOMC政策金利発表が予定されているため、6/17週につながる値動きとして6/10週のドル円の値動きから目を離せない状況だ。
まとめ:次週(6/10週)のドル円の注目ポイントは?
これまでの内容をまとめると、次週6/10週のドル円の注目ポイントは次の通り。
- 現在ドル円の下落傾向に変化なし
- 値動きの中心は108.000~108.800となりそう
- 108.800付近の抵抗を上抜けるのは難しそう
- 6/3週に引き続き108.000付近は死守への決意が固そう
- 6/10週がレンジだと翌週に諸問題の結論を持ち越しそう
- 米中絡みのサプライズに注意
米国絡みの様々なサプライズは、折り込まれたり慣れてきた後で想定外のサプライズに直撃されると非常にもろい。
確かに米中絡みのサプライズには注意する必要があるが、あくまで値動きに集中してトレードを行なっていきたいところだ。