今週(7/8週)はパウエルFRB議長の利下げ容認発言もあって軟調傾向が強まる中、売り買いが交錯して方向感が定まらない1週間だった。
ここ2週間ほどは107.600~108.800間でレンジを形成しており、ドル円の下落傾向のトレンドからは幾分外れている。
しかし月末利下げを受けて円高ドル安感が漂う中で、次週(7/15週)はよほどの米ドル買いの材料がなければ横ばい、もしくは下落傾向が強まりそうだ。
そんな次週(7/15週)のドル円の注目ポイントは…
- ボラティリティが低い1週間となりそう
- 108.000付近を挟んだ値動きが中心となりそう
- 上値は108.800付近まで、下値は107.880付近まで
- 利下げ織込み済みで円高ドル安感が軟調傾向を助長
- 107.600付近を下抜けると107.000付近までは速そう
下落トレンド再開となるか、ドル買い材料が乏しい中で踏み止まって108円維持を目指すか、注目です。
2019/7/8(月)~7/12(金)のドル円チャートのおさらい
先々週(6/24週)と先週(7/1週)のドル円チャートのおさらい
値 | 先々週(6/24週) | 先週(7/1週) |
始値 | 107.297 | 108.178 |
高値 | 108.161 | 108.638 |
安値 | 106.778 | 107.533 |
終値 | 107.926 | 108.482 |
ボラ | 138.3pips | 110.5pips |
方向 | 上方向 | 上方向 |
先々週(6/24週)はその前週(6/17週)の下落傾向を受けて週半ばに106.780付近まで値を下げた場面もあったが、107.000付近でしっかりとサポートされその後上昇。
108.150付近の抵抗が作用して上値が抑えられるまでしっかり上昇、再び107.600付近に支えられて週を終えた。
先週(7/1週)は下に窓を開けて上昇スタートだったが108.450付近で反発、先々週(6/24週)後半同様107.600付近で支えられ上昇。
再び108.450付近の抵抗に押され失速し、出入りの激しい週となった。
2019/7/8(月)~7/12(金)のドル円チャートのおさらい
値 | 先週(7/1週) | 今週(7/8週) |
始値 | 108.178 | 108.149 |
高値 | 108.638 | 108.991 |
安値 | 107.533 | 107.804 |
終値 | 108.482 | 107.893 |
ボラ | 110.5pips | 118.7pips |
方向 | 上方向 | 横ばい |
月日 | ボラ | 説明 |
7/8(月) | 52.5pips | 小ジッカリ |
7/9(火) | 28.7pips | 停滞 |
7/10(水) | 64.3pips | パウエル発言で 全面安 |
7/11(木) | 67.2pips | 行って来い |
7/12(金) | 80.6pips | 再び全面安 |
2019/7/8(月)~7/12(金)のドル円チャートはどう動いた?
今週(7/8週)は売り買いが交錯して方向感が定まらない1週間だった。
先週(7/1週)後半の米雇用統計の結果を好感した上昇傾向の流れを受けて、週スタート直後から上昇したが109.000手前付近で失速。
7/10(水)のパウエルFRB議長の議会証言待ちで様子見の値動きとなり、利下げ観測が強まると米ドル全面安となり107.880付近がサポートするまで値を下げた。
その後、米消費者物価指数の結果を好感した上昇で108.450付近まで回復したが限定的で、終値108.893で週を終えた。
次週(7/15週)のドル円の注目ポイントは?
線種 | 価格帯 | 説明 |
抵抗 | 112.150 | 昨年10~12月の強力な支持線 4月は強力な抵抗線になる |
抵抗 | 111.000 | 昨年5・6月は抵抗線 4月は支持線となる |
抵抗 | 110.000 | 1月は強力な抵抗線 3月後半は底堅い支持線となる |
抵抗 | 109.250 | 5月中旬・下旬の強い支持線 |
抵抗 | 108.800 | 上のオレンジ線 1月末の強力な支持線 下抜けると今年の上昇傾向は リセット |
抵抗 | 108.450 | 1月初のやや弱い抵抗線 |
抵抗 支持 | 108.150 | 下のオレンジ線 1月前半の強力な支持線 今年の値動きの出発点 下抜けるのは容易ではない |
支持 | 107.880 | 今年1月前半を支えた支持線 6/3週から108円死守の 限界下値で再登場 非常に強力 |
支持 | 107.600 | 年始オーバーシュート後の 戻り値を支えた強力な支持線 下抜けると2018年2~4月に戻る |
支持 | 107.000 | 強力な支持線。 6/17週時点で2019年の奈落。 |
支持 | 106.670 | 2018年2・3・4月の 抵抗・支持線 |
支持 | 106.420 | 2018年2・3・4月の 抵抗・支持線 |
支持 | 106.170 | 2018年2・3・4月の 抵抗・支持線 |
支持 | 105.800 | 2018年2・3・4月の 抵抗・支持線 |
織り込まれている円高ドル安傾向
次週(7/15週)は「海の日」の祝日のため、値動きが活発になるのはロンドン時間からとなる。
ただ、ドル円の値動きに大きな影響のある指標発表は予定されておらず、ボラティリティが低い1週間となりそう。
現在、上記チャート緑線の下落傾向を示すトレンドラインから外れ、2週連続で様子見感の強い値動きとなっている。
パウエルFRB議長の利下げ容認発言もあり月末の利下げも織り込んで、引き続き円高ドル安傾向の中での値動きとなりそう。
108.000を挟んだ値動きが中心に
今週(7/8週)の終値107.880付近から108.150付近まで、次週(7/15週)は108.000付近を挟んだ値動きが中心となりそう。
サプライズがない限りボラティリティは低調で、下値は107.880付近から、上値は108.800付近までの狭い範囲でレンジを形成しそうな雰囲気だ。
大きく上振れても109.250付近までは厚い抵抗層があり突破は困難。
一方、利下げ織込み済みで常に円高ドル安感が漂う軟調傾向では、107.600付近を下抜けると107.000付近到達は非常に速く値動く可能性を考慮しておく。
まとめ:次週(7/15週)のドル円の注目ポイントは?
これまでの内容をまとめると、次週7/15週のドル円の注目ポイントは次の通り。
- ボラティリティが低い1週間となりそう
- 108.000付近を挟んだ値動きが中心となりそう
- 上値は108.800付近まで、下値は107.880付近まで
- 利下げ織込み済みで円高ドル安感が軟調傾向を助長
- 107.600付近を下抜けると107.000付近までは速そう
米ドルが積極的に買われる材料は乏しく、油断すると値下がっていたことがないよう値動きに注視したい1週間となりそうだ。