8/12週は、8/13(火)夜に「対中関税実施の一部延期」のトランプ砲に被弾、円を売ってドルを買う動きも見られたが限定的だった。
その後は上値が重く前週8/5週の高値安値内に
そんな8/12週のおさらいと次週8/19週の豪ドル円の見通しは…
- 71.200~72.260間で地政学的状況をうかがう値動きになりそう
- 上値は73.000付近の抵抗まで
- 71.200付近の下抜けを試す値動きを注視したい
- 71.200付近を終値で抜ければ70.300付近は完全に視界に入る
米国の対中関税実施延期で豪ドルに買いが入る状況は、裏を返せば、市場参加者の皆さんが常に景気減速の危機感に晒されている状況である証。
上値が重たい状況の中、8/19週も引き続き直近10年の底になっている70.300付近への下振れリスクを睨んだ値動き展開になりそうですね。
2019/8/12(月)~8/16(金)の豪ドル円チャートのおさらい
値 | 8/5週 | 8/12週 | 月日 | ボラ (pips) |
始値 | 72.365 | 71.573 | 8/12(月) | 79.6 |
高値 | 72.712 | 72.929 | 8/13(火) | 196.9 |
安値 | 70.741 | 70.900 | 8/14(水) | 132.3 |
終値 | 72.103 | 72.073 | 8/15(木) | 117.2 |
ボラ | 197.1 | 202.9 | 8/16(金) | 43.0 |
方向 | 横ばい | 横ばい | – | – |
2019/8/12(月)~8/16(金)の豪ドル円チャートはどう動いた?
8/12週は、世界経済への先行き不透明感が増す中で、好感と思わせる材料に飛びつき落胆する度に値動きが大きく揺さぶられる1週間だった。
8/5週に71.200付近のサポートに支えたられていったん底を打った流れを受けて、続く8/12週もさらに下値を試す展開になりかけた…が、8/13(火)夜にトランプ砲炸裂!
「米中関税実施を12/15まで延期」と対中関税第4弾の一部延期とするトランプ砲で、円に移っていた円を売る動きが加速、73.000付近の抵抗に押えられるまで一気に豪ドルが買われた。
が、その他に豪ドル買いの材料もなく翌日には調整売りが入り、再び71.200付近にサポートされるまで下値を戻して週を終えた。
次週(8/19週)の豪ドル円の注目ポイントは?
線種 | 価格帯 | 説明 |
抵抗 | 80.500 | 4/18(木)高値付近 |
抵抗 | 79.600 | 2019年レンジ上限 |
抵抗 | 77.800 | 2019年レンジ下限 |
抵抗 | 77.000 | 今年1月前半の 強力な支持線 |
抵抗 | 76.400 | 2016年6~9月の 強力な支持線 |
抵抗 | 76.000 | 5月末と7月の 抵抗線 |
抵抗 | 75.840 | 7月前半の抵抗線 7月後半の支持線 |
抵抗 | 75.600 | 6/24週後半の やや弱い抵抗線 |
抵抗 | 75.400 | 年始オーバーシュート 直後の支持線 ここを抜けると 新たな局面に移行 |
抵抗 | 75.250 | 6月初めと7月半ばの 支持線 |
抵抗 | 75.000 | 市場が死守する支持線 |
抵抗 | 74.100 | 強力な支持線 |
抵抗 | 73.000 | 2016年6月後半の 強力な支持線 |
抵抗 | 72.260 | 2009年7月前半の 支持線 |
抵抗 支持 | 71.800 | 2019年8月前半の 支持線 |
支持 | 71.200 | 2009年7月前半の 支持線 |
支持 | 70.500 | 2008年11月の 抵抗線 |
支持 | 69.600 | 2009年3月の 抵抗線 |
世界経済の先行き不透明感は継続
8/13(水)夜の対中関税実施延期に関するトランプ砲への限定的な反応を目の当たりにして、世界経済の先行き不透明感がいかに市場参加者の皆さんの選択肢を狭めているかがよくわかる。
短期勢は別として豪ドルを買いたい市場参加者は多く、その大きな理由のひとつが「現状、豪ドル円は底」という認識を持つ市場参加者が思いのほか多いと思われることだ。
2019年初のフラッシュクラッシュで付けた70.300付近は、2008年のリーマンショックを抜けた2009年5月以降の豪ドル円の「底」という認識は強い。
そもそも米中貿易問題は協議は続いているものの解決に至る道のりは遠く、正解経済の先行き不透明感はまったく薄らいでいない。
71.200付近の下抜けを試す展開に注意
一部サプライズ報道で上下に振れた値動きになったものの、8/12週は前週8/5週の高値安値内に収まり横ばいの値動きに終始した。
次週8/19週は71.200~72.260間の値動きを中心に、上下いずれに抜けるか地政学的状況をうかがう展開となりそう。
72.260付近を上抜けても、次に控える73.000付近の抵抗はとても厚く突破は難しい。
8/12週の終値はやや持ち直して72.103であり、直近10年間の底となる70.300付近は完全に射程圏内。
73円台になるまでは、70.300付近の下抜けを試す値動きへの警戒は続きそうだ。
まとめ:次週(8/19週)の豪ドル円の見通しは?
これまでの内容をまとめると、次週8/19週の豪ドル円の見通しは次の通り。
- 71.200~72.260間で地政学的状況をうかがう値動きになりそう
- 上値は73.000付近の抵抗まで
- 71.200付近の下抜けを試す値動きを注視したい
- 71.200付近を終値で抜ければ70.300付近は完全に視界に入る
その効果は限定的ながら、米国の対中関税実施延期で豪ドルに買いが入る状況は、裏を返せば常に景気減速の危機感に晒されている状況である証左。
お隣ニュージーランドでは、世界経済の景気減速を鑑みれば更なる利下げも已む無し、との発言も出ている。
次週8/19週も引き続き、世界経済の先行き不透明感が値動きに影響を与え続けそうだ。