先週末の中国の対米関税600億ドル発動の発表にドル円への影響はほぼなかったが、ユーロドルは大きく影響を受けユーロを買ってドルを売る動きが活発化した。
この値動きに呼応して今年1月以降続いてきた下落傾向に変化が見られるが、下落傾向を断ち切って上昇傾向とするには次週6/10週の値動きを見守る必要がある。
これらを踏まえて次週6/10週のユーロドルの注目ポイントは次の通り。
- 1.13570付近の抵抗を上抜けるかに注目
- 1.13570付近に抑え込まれると1.13240付近、次に1.12620付近まで下がる可能性もある
- 米ドルが強くなり下落再開の場合は、1.12120付近でサポートされるかに注目
- 5ヶ月続いた下落傾向が終わるかは6/10週の値動き次第
6/3週の上昇を支えた買いポジションが、次週6/10週にさらに積みあがるのか?清算されるのか?に注目しています。
そのポイントは1.12620付近と見ていますが、果たして…?
6/10週のユーロドルの注目ポイントを詳しく解説します。
2019/6/3(月)~6/7(金)のユーロドルチャートのおさらい
先々週(5/20週)と先週(5/27週)のユーロドルチャートのおさらい
値 | 先々週(5/20週) | 先週(5/27週) |
始値 | 1.11598 | 1.12090 |
高値 | 1.12121 | 1.12151 |
安値 | 1.11070 | 1.11160 |
終値 | 1.12052 | 1.11684 |
ボラ | 105.1pips | 99.0pips |
方向 | 横ばい | 横ばい |
先々週(5/20週)は米指標結果前に値動きが大きくブレて、一時1.11000付近に迫る場面があった。
しかしその後は米指標の結果を嫌気したドル売りユーロ買いが加速し、1.12120付近の抵抗に抑えられるまで上昇した。
しかし先週(5/27週)は先々週(5/20週)に切り上げた上値を保持できずに失速、1.11000手前で支えられた。
最終日5/31(金)に対メキシコ関税表明のトランプ砲を被弾しユーロ買いが再開、またしても1.12120付近の抵抗のため上値が重たく1.11684で週を終えた。
2019/6/3(月)~6/7(金)のユーロドルチャートのおさらい
値 | 先週(5/27週) | 今週(6/3週) | 説明 |
始値 | 1.12090 | 1.11597 | 5/31(金)の 上昇を引き継ぐ |
高値 | 1.12151 | 1.13476 | 下落傾向を 止める勢い |
安値 | 1.11160 | 1.11597 | ECB政策金利発表の 影響でブレる |
終値 | 1.11684 | 1.13311 | 1.13570手前で 失速 |
ボラ | 99.0pips | 187.9pips | 大きく動いた |
方向 | 横ばい | 上向き | 下落傾向を 反転上昇に変えるか? |
月日 | ボラ | 説明 |
6/3(月) | 102.2pips | しっかり上昇 |
6/4(火) | 50.7pips | 様子見 |
6/5(水) | 87.1pips | 方向感なく |
6/6(木) | 108.2pips | 指標結果で ブレる |
6/7(金) | 96.4pips | 調整後上昇 |
平均 | 88.9pips | 大きく動く |
2019/6/3(月)~6/7(金)のユーロドルはどう動いた?
しっかり上昇して週を終えた。
先週末の中国の対米関税600億ドル発動に対しドル円はほぼ無反応だったが、ユーロドルはしっかりドル売りユーロ買いで反応、ドルに対してユーロの強さを見せつけた。
ユーロドル以外では米ドルスイスフランやゴールドドルでも米ドル売りが観測されており、今週(6/3週)は米ドルから安全資産への資金移動が進んだ模様。
ただ1.13570手前で上値をしっかり抑えられ上昇がストップしたために1/10(木)以来の下落の流れを突破したものの断ち切ったとは言い切れず、次週(6/10週)に委ねられた格好だ。
次週(6/10週)のユーロドルの注目ポイントは?
線種 | 価格帯 | 説明 |
抵抗 | 1.13900 | 2月末~3月初の抵抗線 |
抵抗 | 1.13570 | 2月中頃の抵抗線 |
抵抗 | 1.13240 | 4/22週高値付近 |
抵抗 支持 | 1.12620 | 4月前後半の 強力な抵抗線 |
抵抗 | 1.12120 | 5/6週の抵抗線 5/13週以降は踏み台に? |
抵抗 支持 | 1.11730 | 5月の抵抗・支持線 6月も作用しそう |
支持 | 1.11440 | 4月レンジの下限 |
支持 | 1.11100 | かなり強力な支持線 ここを下抜けると 2年間の値動きがリセット |
米ドルの次週(6/10週)の動向に注目
次週(6/10週)にユーロドルに大きく影響する指標発表の予定はなく、ユーロドルの値動きは米ドルの動向によって変わってくる。
米国絡みの地政学的問題は山積しているが、6/3週は米雇用統計結果の他に米ドルに影響を与えたサプライズはなく、 市場としてのこれらの問題の結論を次週6/10週に持ち越した印象だ。
6/3週のユーロドルは一方的に上昇したが、次週6/10週は米ドルの値動きを注意深く観察する必要がありそうだ。
次週6/10週の指標発表スケジュールとまとめているので、合わせてご覧いただきたい。
1.12620付近、もしくは1.13240付近を中心とした値動きとなるか?
前週(6/3週)に1.13240付近をあっさり突破したものの、1.13570手前の抵抗線に阻まれ失速。
前週(6/3週)のユーロ買いポジションがしっかり溜まっている状態で、1.13570付近を突破できるだけの買いオーダーを追加可能か値動きを注視したい。
買いポジション調整の売りが入ると1.13240付近を保持できずに、1.12620付近にサポートされるまでは値が下がる可能性もある。
前週(6/3週)の終盤でユーロドルの下落傾向に反発した形で終わったが下落傾向はまだ完全に解消されておらず、ユーロドルの値動きは引き続き予断を許さない状況だ。
まとめ:来週(6/10週)のユーロドルのポイントは?
以上を踏まえて、次週6/10週のユーロドルの注目ポイントは次の通り。
- 1.13570付近の抵抗を上抜けるかに注目
- 1.13570付近に抑え込まれると1.13240付近、次に1.12620付近まで下がる可能性もある
- 米ドルが強くなり下落再開の場合は、1.12120付近でサポートされるかに注目
- 5ヶ月続いた下落傾向が終わるかは6/10週の値動き次第
前週6/3週はユーロに対する米ドルの弱さが際立ったが、6/10週の米ドルはどうなるかに注目している。